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私ども全国工場団地協同組合連合会は昭和36年に発足した国の中小企業高度化事業に則り、工場団地協同組合を設立した仲間の集まりです。
戦後の国の中小企業施策の根本は、日本企業の経営形態があまりに小さい(中小零細企業ばかり)のを何とか集団化して組合単位での企業体を作れないか、という発想でしたが、高度化事業は組合作りの発想に加えて、特定の産業の集積を図る、あるいは市街地に散らばる中小工場群を郊外の新天地にゆったりした工場団地を造成して、集団化を図る、という産業政策、地域政策を実現するための制度融資として考案されたものです。一般の金融機関が実施する中小企業向けの金融とは一線を画すものです。
そのため発足当時は市中の長期金利が10%前後の時に2.7%でスタ-トし、長期・低利のメリットが強く働きました。近年は、超低金利時代が続いており、金利面のメリットは低下しているものの、引き続き20年固定のメリットを持つ制度融資であって、単なる金融ではありません。過去高度化資金を利用した協同組合は500を超えます。一工場団地の組合員が20社平均としても1万社が利用したことになります。
かつては3年据え置きの15年、今は3年据え置きの20年、金利0.45%で借入時の金利が返済終了まで続くという極めて安定した長期資金です。加えて一度利用した組合、あるいは組合員単独でも補完事業ということで、新規の借り入れも可能です。もとより企業は15年、20年で店仕舞いするものではありません。日本企業の平均寿命は80年を超えるという長寿が特色です。今のイノベ-ションについていくには設備の更新は常に喫緊の課題のはずです。過去に利用した企業に対してリニュ-アルという概念で借り繋ぎができるということは過小資本体質が多い我が国の中小企業にとって、安定した長期資金の導入ができるという意味でも貴重な制度であると思います。
日本の企業総数は360万社と言われます。99%以上が中小企業ですから、360万分の1万社は0.3%未満です。ということは過去高度化資金を借りたことのある企業は極めて大きな既得権を持っていることになります。新規の活用は勿論、既に利用された企業も高度化資金制度をもっともっと身近なものとして活用して頂きたいものです。
高度化資金だけではなく工団連を通じての中小企業基盤整備機構、中小企業庁、経済産業省とのパイプはその他諸々の中小企業向けの施策の情報源でもあります。また各地方自治体とも重要な組織として強い連携を保っています。
工団連は全国に六つのブロック(北海道・東北、関東、中部、近畿、中四国、九州)で活動していますが、ブロック内での交流はもとより、全国ベースで会員間の交流を通じて各会員が抱える課題解決に取り組んでいます。
工団連の今後の益々のご活用を期待する次第です。
全国工場団地協同組合連合会 会長 比楽卓郎